反応炉の製作調整後の温度分布を図4.2.7に示す。炉心管長さ全域にわたってプラスマイナス2℃以内の精度が実現されている。Nb3Snの反応を実際に行う最初の試みとして、1.5mの短尺ケーブルを銅製の治具中で保持して熱処理を行った。炉の運転はスムーズに行われ、650℃×180hでの熱処理後、取り出した試料は、通電試験のための電圧端子の取付等を行った。なお、巻き線や熱処理の過程を含めた一連の開発事項は、今後、米国カリフォルニア大学ローレンス・バークレイ研究所(LBL)において、D20実験装置の12Tダイポール磁石の中に製作したコイルを設置して通電試験を行い、性能確認される予定である。
D20と呼ばれる高磁界実験装置は、日本が協力して最近完成し、平成9年2月28日に初めて12Tを達成したばかりである。この装置を用いた最初の実験として、今回の試料が準備されている。
図4.2.8にD20実験装置との組み合わせで行われる通電実験装置の配置を示す。
図4.2.7反応炉内の温度分布
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